| 選評 |
永く癌医療最先端を担ってきた癌研大塚病院の臨海副都心への全面移転プロジェクトである.癌治療に特化した高機能病院であり,癌治療に必要な最先端スペックが全て整った病院である.2階診療フロアーは,癌専門外来,内視鏡,CT,MRIなどの診察機能が全て集約され,患者にとってわかりやすく,効率的な構成となっている.3階は13の手術室と病理部,ICU+HCUが組み合わされた構成であり,摘出患部の病理診断を即座に手術室に伝える態勢が実現できている.5階以上12階までが病棟部で,1看護単位46床を複廊下型平面によって2単位・ワンフロアにまとめる常套的な構成であるが,スタッフ・搬送の動線と一般動線を完全に分離する平面構成が実現しており,奇を衒わない堅実な計画である.大規模災害時の後方支援病院としての役割を担っており,1階の伸び伸びしたホスピタルストリートは緊急時のトリアージスペースとして機能することが想定されている.運営陣は設計陣との綿密な検討プロセスに満足を示しており,「脱病院」を目指す職員の意識改革にも寄与したと評価している.高度最先端大規模病院として計画・デザインの水準は高く,複雑な機能を破綻なく巧みにまとめている.
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