2015年医療福祉建築賞

総合せき損センター

 所在地  福岡県飯塚市伊岐須550-4
総合せき損センター"
 病床数  150 床
延床面積  21,119 ㎡
竣工年月  2014年3月

開設者  独立行政法人
 労働者健康安全機構
管理者  総合せき損センター
設計者  ㈱山下設計
施工者  ㈱安藤・間
東京都立川市錦町6-26-17


【選評】

脊髄脊椎疾患患者の,救命救急の初期治療から早期リハビリテーション,回復・社会復帰訓練まで,一貫した治療を行なう,西日本一円を診療圏とした専門病院である. 緑に囲まれた自然環境と融和させた伸び伸びとしたデザインで,在院日数が長くなる患者のために療養環境に重点が置かれている.敷地の高低差を巧みに生かした2階建てで,メインアプローチ側となる1階レベルに診療部門を,2階にリハビリテーション部門を集約し,そこから平屋3棟の病棟が建っている.病棟は2つの中庭を取り囲むコート型で,病室は全て庭に面しておりベッドごと庭に出ることができ,火災時など一次避難を容易にしている. リハビリテーション部門は広々としたテラスがあり,トイレやADLの機能向上器具など専門病院ならではの設備が整備されていて活気に満ちている.廊下はどこも幅が広く,移動を容易にしている.院長の「療養環境はお薬と同じです.」という言葉が上手に反映された病院である.