認知症高齢者グループホームわいの家 of 日本医療福祉建築協会

2007年医療福祉建築賞

認知症高齢者グループホームわいの家

所在地	福島県いわき市植田町小名田13-2
定員	18名
延床面積	745㎡
竣工年月	2005年3月
開設者	社会福祉法人ハートフルなこそ
管理者	社会福祉法人ハートフルなこそ/td>
設計者	三浦雅博アトリエ
施工者	林興業㈱

東京都立川市錦町6-26-17

【選評】

閑静な住宅地の中に建つ，９人×２ユニットの認知症高齢者グループホームである．周辺にとけ込む在来木造構法を採用し，和風住宅の要素を取り入れたことで，家庭的な暖かい雰囲気が感じられる内部空間となっている．空間構成としては，９人のユニットをさらに４人と５人とに分け，それぞれにダイニングキッチンと和室の居間（おえ），浴室・便所を設けることで，一般住宅並みに生活単位の小規模化をはかっている．部屋と部屋を結ぶ廊下を極力廃し，空間同士をフスマによって繋いでいく続き間形式を採り入れたプランは，民家的な落ち着きだけでなく，コンパクトな空間の中に動線の多様性と同時に種々の空間分節を生み出している．それは，入居者個人の志向にあった居場所の選択を可能にし，スタッフにもさまざまな状況に対応できる柔軟性をもたらし，生活の自由度を高めている．これらは施主のキーワード「動けるのであれば這ってでも自分らしい生活をしてもらいたい」から展開したという．