2002年2月

あさかホスピタル見学会ご案内

 3月の月例行事は、医療福祉建築賞2000を受賞した医療法人安積保養園あさかホスピタルを見学させて頂きます。(病院建築132号参照)
 当日は質疑時間を長めにとり、コーディネーターと設計者のあいだで、やや突っ込んだお話も伺う予定です。参加ご希望の方は下記によりお申し込み下さい。

●日 時 2002年3月14日(木)14:00〜16:30
●所在地 福島県郡山市安積町笹川字経坦45
●設 計 共同建築設計事務所
●データ 206床/RC 1F/延6,764/1999年3月竣工
●交 通 JR安積永盛駅よりタクシー5分(JR郡山駅よりタクシー20分)
●特 徴 精神科病棟。建築の「常識」を見直し、短い工期、狭い敷地、ローコストという条件の中、患者本位の空間づくりに徹した作品。新病棟完成以降も現時に至るまで改修を継続し、スキルアップし続けている。
コーディ
ネーター
筧淳夫(JIHa事業委員長、国立医療・病院管理研究所 施設計画研究部長)
 定 員
30名
参加資格
JIHa会員に限る
写真撮影: 病棟は原則として撮影禁止。その他の部分についても(1)見学会開始前の撮影 (2)施設利用者の撮影 (3)フラッシュの私用 は禁止となります
(社)日本医業経営コンサルタント協会「医業経営コンサルタント」継続研修:2.5時間

申し込み方法

 FAXまたはE-mailに限ります。「あさかホスピタル見学会」と頭書きし、(1)参加者名、(2)勤務先・部署、(3)電話番号、(4)FAX番号/E-mailアドレス、(5)住所(返信先)を記載の上、2月26日(火)までに下記宛お申込み下さい。締切後、お返事を致します。

日本医療福祉建築協会事務局
FAX:(03)3453-7573  E-mail:jiha@mars.dti.ne.jp



海外医療福祉建築視察2002企画

  本年の海外視察を下記により企画中です。参加ご希望の方はあらかじめご予定下さい。

日  程
2002年10月5日(土)〜19日(土)、15日間<予定>
コーディネーター
山下哲郎(名古屋大学助教授)
訪問予定都市
ロンドン・アムステルダム・アーヘン・ヘルシンキ等<予定>
視 察 テ ー マ
サスティナブルな医療施設のあり方を探る
1.有効性の検証:「成長と変化」に対応するための種々の手法が実際ど
 のような形で適用されてきたか
2.改修の可能性と限界:古建築(医療施設)が、どのような形(改修手続
 き)で近代医療に適する形に改変されているのか
3.設備計画における「成長と変化」:こうした「成長と変化」の課題に、ど
 のように設備計画が対応しているのか
4.欧州の先端医療の現状
訪問予定施設 Vassa Central Hospital(バーサ):1890年代
 100年以上にわたり、新築とその改修で創られてきた地区総合病院
パイミオ・サナトリウム(トゥルク):1930年代
 A Aaltoの設計による結核療養所
Children’s Castle Hospital(ヘルシンキ):1920年代
 未熟児など病的新生児の医療を担うために設立された教育病院
Women’s Clinic(ヘルシンキ):1930年
 フィンランドにおける最初の近代的病院
アーヘン大学病院(アーヘン):1980年代
 ポンピドゥーセンター同様、配管類を外に露出したシステム
聖トーマス病院(ロンドン):1870年代
 3つの異なる病室型(ナイチンゲール病棟は既改修)が特徴
聖マリー病院(ワイト島):1990年代
 ニュークリアス型病院の新しい例、病棟上部に設備階を持つ
グリニッジ地区病院(ロンドン):1970年代
 低層集約型で設備階(ISS)を採用、関連部門の水平配置に特徴
ノースウィック・パーク病院(ロンドン):1970年代
 J.ウィークスの「成長と変化」に対応する低層水平展開の典型例 
ガイズ病院(ロンドン):1960年代
 高層のナイチンゲール病棟に特徴
経 費 概 算 参加者15名の場合/70万円【予定】
参加者20名の場合/65万円【予定】
コーディネーターより
 病院建築の計画に際しては、何をおいてもまず「成長と変化」を前提としますが、そこには様々な手法がこれまで考えられてきました。また一方で、スクラップ&ビルドといった景気の良い話は影をひそめ、近年、病院建築においてもサステイナビリティーへの配慮を避けて通ることができなくなっています。
 今回の視察の趣旨は、こうした「成長と変化」を予め想定していなかった築後1世紀余り経つような病院建築が、改修・改築を経ながら、医療や設備機器の高度化あるいは医療制度や社会的ニーズの変化にどのように対応し続けてきたのか、また「成長と変化」への種々の対応を予め想定していた病院がその後どうなっているのか、といったことを見定め、サスティナブルな病院の姿を探ることにあります。
 視察では、この「成長と変化」の考え方の生みの親でもあるイギリス(アーヘン大学病院も含めて)と、また旧い建物を大切に使い続けているフィンランドを中心に、それぞれ学んできたいと思います。勿論、見学先の病院はそれぞれが歴史のある、またいわば有名病院(建築 )、つまりその国・地域で中核的な役割を果たしているわけですから、欧州の先端的な医療の動向についても、この視察を機に学んでくるつもりです。蛇足ですが欧州(フィンランド・オランダ・イギリス)の、旧き良き時代の建築や元気の良い現代建築も楽しんでいただきたいと思っています。
 これまでひたすら走り続けてきたわけですが、暫し歩を休め、今回の視察にご参加下さって、これからの日本の病院建築のあり方をじっくりと考える機会を持ちませんか。




JIHaユースクラブ例会No.10開催予告


 お陰様を持ちまして、3月の例会でJIHaユースは丸2年、第10回を向かえます。これまで皆さまのお力にささえられて、毎回盛況を収めるとことができておりまして、嬉しい限りです。われわれ世話人どもも毎回の企画に一層力が入る次第です。
 JIHaユースのコンセプトのひとつは「若手を中心に自由な雰囲気で意見交換をする」ことにあります。3月をJIHaユースのひとつの節目ととらえ、設立当初のコンセプトに立ち返った企画を催してみたいと思っております。我々世話人もまだまだ若手と自負しておりますが、さらに若手を中心とした企画としてみたいと考えております。そこで、3月の例会は、企画・進行・発言者などをすべて若手の皆さんでコーディネートしていただくことになりました。
 現在、医療・福祉建築の研究分野で活躍しております博士課程の学生2人に、3月例会の世話人をお引き受けいただきました。「さらに若手を中心とした」例会とすべく、企画をデザイン中です。研究者・実務者などの枠組みにとらわれることなく、広くご発言いただける方を募りたいと思います。特に入社数年目の方々がどんな仕事に取り組んでいらっしゃり、どんな内容に着目し、あるいは疑問をもっていらっしゃるのかなどは、お互いにたいへん興味深いことだと思います。われこそはとお思いの方は、あるいは、この人こそとご推薦いただける方がいらっしゃいましたら、是非事務局(jiha@mars.dti.ne.jp)までご一報いただければ幸いです。
 皆さまからのご意見を拝聴しながら、3月のインフォメーションJIHaで詳細をご報告させていただきます。
(世話人・須田眞史)



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜関連イベント情報〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
主 催 名古屋大学 理工科学総合研究センター 学際共同研究グループ
場 所 名古屋大学医学部(鶴舞キャンパス) 基礎研究棟・第2講義室
時 間 2002年3月16日(土)14:00〜17:00
司 会 奥宮正哉(名古屋大学・理工科学総合研究センター:建築設備分野)
第1部:研究成果の中間報告
1:山下哲郎(名古屋大学・医学部:建築計画分野)
 ナイチンゲール病棟から始まって、病棟及び病室の形は奥行きの深いものになり、この変化と歩調を合わせて人工的空気環境を作り出す空調設備も発達してきた。が、こうした変遷は一方で「省エネルギー」という今日の課題に反する結果をも生みだしてきた。この建築的変遷を整理する中で、この学際共同研究グループが掲げている研究の狙いを明らかにする。

2:飯沼由嗣(名古屋大学・医学部附属病院:感染対策分野・医師)
 病室の空気の汚染に、空調設備がどのように関与しているのか、とりわけブドウ球菌に注目して実態調査を行った結果についてまとめる。
 :姫野美都枝(同:感染対策分野・看護婦)
 また、本研究で調査対象とした病室あるいは空調設備に関わる清掃等の清潔管理の現状を、感染対策の視点からまとめる。

3:筧淳夫(国立医療・病院管理研究所・施設計画研究部:建築計画分野)
 建築の側面から、日本医療福祉設備協会が定めているガイトライン(HRAS-02)と、米国のAIA/AAHが定めているガイドライン(Guidelines for Design and construction of Hospitaland health Care Facilities 2001 Edition)等をベースとして、各室の空調条件についてまとめる。

4:田中英紀(名古屋大学・工学部:建築設備分野)
 病院の種々の空調システムとその特性について整理し、特にドレインレス(細菌の発生を促すことになる水分の発生を押さえる)システムの空調設備に焦点を当て、その省エネルギー効果の試算などについてまとめる。

第2部:コメンテーターによるコメントとディスカッション
コメンテーター
大久保 憲 氏(NTT東海総合病院:医師)
中原 信生 氏(環境システック中原研究処・名古屋大学名誉教授:建築設備分野)
申し込み&問い合わせ先
本シンポジウムにご出席を希望される方は、直接会場にお越し下さい。会場への地図など、お問い合わせにがございましたら、下記宛メールでご連絡下さい。地図などの情報を返信させていただきます、なお、会場の定員が100名となっていますので、定員を超える場合には、先着順とさせていただきます。
山下哲郎:名古屋大学 医学部 医系施設整備推進室
〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65
tel :052-744-2825/fax:052-744-2827
E-mail:k46229a@nucc.cc.nagoya-u.ac.jp(メールだと確実に連絡が取れます)


  

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