1997年医療福祉建築賞

胆沢国民健康保険まごころ病院

胆沢国民健康保険まごころ病院

 

所在地 岩手県胆沢郡胆沢町南都田字大持40
病床数 48床
延床面積 3,636㎡
竣工年月 1996年9月
開設者 胆沢町
管理者 胆沢町
設計者 ㈱久米設計
施工者 五洋建設・高弥建設・進栄建設特定共同企業体
【選評】

 48床の小規模病院であるが,5haの敷地に病院と健康増進センター,老人保健施設を一体的に整備する計画で,リハビリテーション部門が中央に配置される.人口1万8千,高齢者比率21%の町の地域医療のあり方を象徴したような施設である.管理運営上の満足度は高く,ふるさと意識が十分に建築に表現された作品として評価できる.全体に木質の温かいインテリアを持ち,食堂とデイルーム等,心地よい空間となった.外来待合の畳もうまく利用されている.玄関の履きかえ,下足箱,ガラスの間仕切りなど雪国ゆえの問題点はあるが,院内を通じて良い雰囲気を醸し出していた.外観は,暖色系の親しみやすい色調で,トップライトを頂く勾配屋根に特長がある.昼間は焼石連峰を望み,周辺の景観によく調和した美しい構成を見せ,また夜間にはトップライトがあんどん風の灯となって「24時間医療のともしびを消さない」シンボルの演出に成功した.