1997年医療福祉建築賞

富山県立中央病院

富山県立中央病院

 

所在地 富山県富山市西長江2-2-78
病床数 800床
延床面積 65,705㎡
竣工年月 1995年4月
開設者 富山県
管理者 富山県
設計者 ㈱佐藤総合計画
施工者 佐藤工業・間組・林建設工業・日本海建興JV
【選評】

 既成敷地内の診療を継続しながら2期に分けて全面建てかえとなった施設であるが,その経緯を感じさせずに建築的に実によくまとまった形態を有している.計画内容のレベルも極めて高い.癌,心疾患,脳血管疾患,救命救急,母子医療,和漢診療,緩和ケア医療などに特性があるが,巧みに包括され,バランスのとれた県立総合病院として機能している.廊下動線の軸が明快で,ゾーニングがわかりやすい.また将来への対応が可能な形であり,柔軟でもある.中央診療棟と外来診療棟との間にある吹き抜けのホールは,病院の中の公園というイメージ通り,緑豊かなロビィとなっていた.サポートシステムは潤滑であり,物流・情報化の計画は良かった.管理運営上も好評である.
 病棟を左手に眺め,診療棟・中央ホールを正面に据えた玄関アプローチは,前面のガラス壁面の立ち上がりと壁体の扱いに優れた美しさを見せる.内部のささいな造形にも神経が行き届いている印象を受けた.