2006年医療福祉建築賞

亀田総合病院Kタワー

亀田総合病院Kタワー

 

所在地 千葉県鴨川市東町 929
病床数 364床
延床面積 31,913㎡
竣工年月 2005年3月
開設者 医療法人 鉄蕉会
管理者 医療法人 鉄蕉会
設計者 アーキテクツハワイ+モノリス+大林組+フジタ
施工者 大林組
【選評】

 先進的かつ前衛的ともいえる病棟タワーである.亀田総合病院全802床のうちの364床の新病棟であるが,徹底した患者主体のコンセプトによって,全個室を実現している.各病室はトイレ・シャワー付きで,家族が横になれるソファーベッドも備えた21m2の充実した環境となっている.タッチパネル式のPCによって,食事や買い物のオーダーができ,希望すればカルテも閲覧できるなど,患者と家族のためのアメニティー重視が徹底している.病棟は,各階1看護単位30床内外と小規模看護単位を実現しており,これとは別に各階に6床のICU・HCUを分散配置している.スタッフ動線と一般動線を完全に分離した平面計画を採用しており,医療物品の溢れ出しや動線の交錯がない,極めてすっきりした環境を担保している.L字型平面交点の各階ラウンジは太平洋を眺望する絶景で,家具の設え等も秀逸であり,メディカル・リゾートを全体コンセプトとしているとの説明も納得できる.室料差額1万円とビジネスホテル並とのことであるが,平均在院日数9日以下の高度医療が裏付けとなっている.