2007年医療福祉建築賞

徳島赤十字病院

徳島赤十字病院

 

所在地 徳島県小松島市小松島町字井利ノ口103番地
病床数 405床
延床面積 37,871㎡
竣工年月 2006年1月
開設者 日本赤十字社 徳島県支部
管理者 徳島赤十字病院
設計者 病院棟:㈱日建設計
複合棟・防災エネルギーセンター:㈱安井建築設計事務所
施工者 病院棟:鹿島建設㈱
複合棟・防災エネルギーセンター:㈱大林組
写真撮影 稲富茂仁
【選評】

 地域の医療施設を支える地域医療支援病院であり,在院日数10日弱の超急性期医療施設であるとともに,市街地再開発計画の中核施設でもある.
 外来と入院の機能を建築的に分離し,病棟はホテル的な落着いた入院環境を創出している.外来と入院部門の分離は今後の病院のあり方を示唆し,エスカレーターによる垂直方向の空間分節は,1階に設けた地域医療支援機能や救命救急センターを利用しやすく充実させている.
 病棟スタッフステーションはカウンターもないオープン方式で,患者と職員のコンタクトを密接にする.病棟中央には2ステーション間に光庭を設け,職員動線を有機的・快適に連続させている.
 保存した樹木や豊富な伏流水を利用した池泉の庭を,ラウンジや廊下の端部,エレベーターホールから眺められ,ガーデンホスピタルの好例となっている.外壁は白を基調としながら,エメラルドグリーン(徳島カラー)のガラスを効果的に用いて地域色を表出し,病院建築の一つの方向性を示しつつ,患者やスタッフに優しい創意工夫に満ちた事例である.