2009年医療福祉建築賞

長谷川病院

長谷川病院

 

所在地 富山県富山市星井町2-7-40
病床数 40床
延床面積 4,661㎡
竣工年月 2006年1月
開設者 医療法人社団 長谷川病院
管理者 医療法人社団 長谷川病院
設計者 基本設計+監修:久保田秀男(広島国際大学)
実施設計+監理:㈱日建設計
インテリア・家具デザイン:吉川昭(㈱日建スペースデザイン)
施工者 真柄建設㈱
写真撮影 ㈱エスエス北陸
【選評】

 小規模な泌尿器科の専門病院で,結石破砕や前立腺治療などは北陸地方で随一の民間病院としての自負を持つ.
 平面計画や空間構成,材料や設備などの詳細な仕様,インテリア・家具・アートのデザインなど,一貫して設計者と施主との充分な協議のもとに統一されたコンセプトで,手を抜くことなく,つくり込まれている点が最大の特徴である.車いす置き場,傘立て,検尿棚といった細部まで設計者の意図が感じられる.個室・多床室・治療個室を明確にゾーニングした矩形の病棟平面は一般的であるなど,建築計画についての新規性を狙うものではないが,部分部分の完成度は高く,ディテールは秀逸である.
 規模も小さく,使い手が限定されている民間病院だから達成できたと指摘される部分も多いかもしれないが,常に“このデザインは患者のためになっているか”が設計の判断基準であったとのことで,設計者の職人的技量とでもいうべき意気込みが感じられ,結果として施主にとっても極めて満足度の高い建築に仕上がっている.